2020年9月5日(土)県内で初となる「避難訓練コンサート」を開催しました。このコンサートは、ホールでの演奏中に災害が発生する想定で、出演者やお客さまにも訓練に参加していただくコンサートです。日本赤十字社や鹿島消防署、アルモニア管弦楽団、かしま防災サポーターズクラブなど、多くの方々のご協力をいただき、実施することができました。
新型コロナウイルス感染拡大防止のため、座席は前後左右一席ずつ空けて約120人で行いました。来場者には入場前に「健康チェック表」の提出や体温測定、チケットのもぎりをご自身で行っていただくなど、新型コロナ対策への協力をしてもらい、スムーズに開場することができました。
はじめに「自分のいのちは、自分で守る」をテーマに、日本赤十字社の佐藤洋平さんによる「防災セミナー」講演。スライドを交えて、災害レベルによる避難の注意点などを解説していただきました。この日は台風10号が接近中で、防災についてより身近に感じられた方も多かったようです。
その後、アルモニア管弦楽団による演奏が始まり、途中で地震と火災が発生した想定で出演者、観客全員にホールから外へ避難をしていただきました。当初は駐車場を避難所に予定していましたが、台風の影響で雨が降りはじめ、1階ロビーに変更しました。
人数確認後、休憩をはさんで、鹿島消防署の方による講評と後半の演奏に入り、久しぶりにエイブルホールでの演奏会を楽しんでもらうことができました。
今回、「かしま防災サポーターズクラブ」をはじめ、多くのボランティアの方々にご協力いただき、下記のレポートもボランティアの高田さんによるものです。
また、県内初の試みということで、県内外の公共施設の職員の見学も目立ちました。
「避難訓練コンサート」レポート
「災害は忘れた頃にやって来る」は死語になった。今は「災害は続けてやって来る」である。「避難訓練コンサート」にスタッフとして参加した。リハーサルの効果もあって「整然」と行われた。訓練なのだから整然は当たり前なのだろうが、経験をするのとしないのでは全然違う。コンサートの途中緊急地震速報が鳴り響く。おそらく誰もが緊張したはずだ。
風水害に悩まされてきた鹿島。地震の記憶はないに等しいが、市内には「西葉断層」が走り、宝栄4年(1707年)には「鹿島地震」の記録もある。地震も決して無縁ではない。
講師の日本赤十字社・佐藤洋平さんは「正常性バイアスが危険だ」と教えてくれた。正常性バイアスとは「自分は大丈夫」と思い込むことだそうだ。
避難訓練を終え、鹿島消防署の方は「『お・か・し・も』が大事」と講評してくれた。(お)押さない、(か)駆けない、(し)喋らない、(も)戻らない の4つが大事というわけだ。パニックにならない「おかしも」だが、最後の「戻らない」が一番大事なような気がする。
避難訓練を終え「アルモニア管弦楽団」の弦楽四重奏。久しぶりのコンサート。心に染みいる音。いつも安心して暮らせる鹿島でありたい。貴重な経験ができて、参加してよかったと思う。
……かしま防災サポーターズクラブ・エイブル倶楽部 広報部会 高田玲二