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館長コラム

山笑う

山笑う

高浜虚子の句に「山笑ひ人群衆する御寺かな」とあります。

早春の山の様子を擬人化して「笑う」としたのは、大変興味がある表現だと思います。

調べてみると郭煕(かくき=中国北宋の画家)の画論『臥遊録』という本に「春山淡冶にして笑うが如く、夏山蒼翠にして滴(したた)るが如く、秋山明浄にして粧(よそおう」が如く、冬山惨淡として眠るが如く」とあり、春山は笑っているよう、夏山は滴るよう、秋山は粧よう、冬山は眠るようと評したのが始まりだそうです。

最近、山に登り、遊ぶようになってから、「山笑う」は、まさにそうだなと思えてきました。

冬山は、鳥のさえずりが殆どなく、木々は葉を落として静まり返っています。冷たい風が木々の枝を吹き抜けていくだけの寂しい風景、まさに「眠るが如く」です。

その眠っていた冬山が、春になり若葉が芽生え、花が咲き、虫の活動も活発になり、小鳥もさえずり、鶯の初音も聞こえ、明るく楽しい山に変わっていきます。

そのことがまさに「山笑うが如く」の表現にピッタリ。

春の多良岳は、若葉や小鳥たちで華やぎ、頂上付近にある大きなマンサクの木に黄色い満開の花が咲き、春になったことを喜び、笑っているかのようです。

 

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