佐賀県鹿島市の生涯学習センター「エイブル」は、
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館長コラム

若菜摘み

若菜摘み

若菜とは、春の七草のこと。

春の七草は、セリ、ナズナ、ゴギョウ、ハコベラ、ホトケノザ、スズナ、スズシロです。秋の七草は、観て楽しむもので、この春の七草は味わって楽しむものです。

一月七日に七草粥を食べる風習はご存じの通りですが、昔は、その七草を、その日の朝に摘んできて使っていたようです。

百人一首でおなじみの「君がため 春の野に出でて 若菜摘む 我が衣手に 雪は降りつつ」(光孝天皇の作)と歌にも詠まれるくらいの年中行事でした。

この七草粥を新春に食べると長生きができると信じられており、この粥の話は、中国唐時代の昔にさかのぼります。

それは、親孝行の息子が、自分の親が老いて行くのを悲しんで「私の親の老いを自分に移してください。」と神様に願い、神から七草を炊いて食べさせると一口で一〇歳、七口で七〇歳若返ると教えてもらい、実行したところ、たちまち親が若くなったという親孝行の功徳を説いた話だったようです。

現在は親孝行の話より健康によいということだけが残っており、暮れから正月までの食べ過ぎと呑み過ぎと運動不足からくる体全体の膨満感を取ってくれる七草粥。白いお米の粥に七草の緑が鮮やかで体には十分によさそうです。