丁寧の語源は、中国の打楽器のこと。危険を知らせるために打ち鳴らしたという。
丁寧(ていねい)
丁寧は、昔、中国の軍隊でつかわれた銅製の打楽器で、一人一人の味方全員に注意を促したり、警戒を知らせたりするときに使われていたものなのだそうです。
これが、なかなか全員に伝わらなかったので、何度も念には念を入れて鳴らしたことから、細かいところまで行き届いていることを、丁寧というようになりました。
危険が身に迫っているのだから自然と丁寧になったのでしょう。
全員の安全に心を配って、一生懸命に打ち鳴らしている姿が目に浮かびます。
今では、戦争や危険とも離れて、その心だけが今に伝わっているようです。いったい丁寧とは、どんな響きをしていたのか想像したくなりますね。
この平和な令和の時代の丁寧の音は、きっと、ひとりひとりの胸の中で、それぞれの響きを奏でていることでしょう。
人と人の絆が薄れ、人とつながるための電話やケータイやメールなどの悪用による不信感や不安感が増幅している昨今、まさに、安全・安心が大きく揺らいでいます。
今こそ、ひとりひとりが持っている丁寧の心の音を、勇気を出して、一人一人が響かせていけたらと思います。令和の年も、どうぞ平和であり続けますように!
エイブルの木 1月号「エイブルからこんにちは」より
館長 永池 守