四季を感じる
春には桜が咲き、夏には青い空に入道雲、そして秋には、美しい紅葉があり、冬には水墨画のような雪景色。
昔の人は、この四季をさらに二十四節気に分けて季節を感じていました。二十四節気とは、一年(春分点を出てから再び春分点に達するまでの太陽の黄道上の位置)を二十四等分し、約十五日ごとの節気に分けたもの。
それぞれの節気は「立春」、「雨水(ウスイ)=雪や氷が解けて水になるころ」「啓蟄(ケイチツ)=冬ごもりをしていた虫がはい出てくるころ」など天候や生き物の様子を言葉で表し、季節の目安としてきました。
そして、早春の寒さの表現は、冬から春になるまでに、暖かい日と寒い日が数日サイクルで繰り返される『三寒四温』、また暖かくなった頃に一時的に寒くなる『寒の戻り』、さらに早春の頃に期間限定の厳しい寒さを『余寒』、桜のシーズンの寒の戻りは『花冷え』と表現します。寒さの感じ方も言葉で使い分けています。
このように季節の微妙な変化を捉え言語化する感覚は日本人の古くから持っている特性です。一見当たり前に見える季節の移り変わりを、言葉で丁寧に表現し、歳時記や時候の挨拶としても用い、四季を感じてきました。
大切な感性ですね。
エイブルの木1月号より