鍋料理
師走は。日暮れも早く、寒さも増してきます。それぞれの食卓には、それぞれのあたたかい鍋料理が並ぶことでしょう。そして各家庭には、鍋奉行がいらっしゃるのでは?
日本の料理の歴史を見ると、縄文~弥生時代ごろから煮炊きを目的とした調理器具(土器)がありましたが、これらで作られる料理は汁物や煮物であり、現在の鍋物とは異なるものでした。
また、各自が自分の膳で食事をする文化であったため、鍋で作った料理を火にかけたまま直接箸でつつくことはしなかったとありました。鍋状のものが出現したのは鉄器が登場してからのようです。
鍋料理の中で、私が大好きな「すき焼き」は、武士の世が終わる十九世紀末頃から始まり、鉄鍋にタレを少し入れて、その上で牛肉を一枚ずつ強火でさっと焼いて食べる焼肉のような食べ方をしていたようです。すき焼きの歴史は、まだ浅いようです。
すき焼きは、牛肉を入れるので牛鍋だけでよさそうですが、あえて、すき焼きとしたのはなぜだろうと、すき焼きの由来を調べてみました。
すると、もともと日本には牛や豚の肉を食べる風習はなかったので、家の中で調理するのを遠慮して、野外で農耕に使う鋤(すき)の上で焼いたことから、すき焼きという名前がついたようです。
ちょっと意外な名前の由来ですが、美味いことに変わりありません。
さて今晩はすき焼きでもどうぞ。
エイブル通信12月号より