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菊酒(10月号)

菊 酒

菊の節句は、旧暦の九月九日(今は十月)に行われ、「重陽(ちょうよう)の節句」とも呼ばれます。

「九」は陰陽道でいうと奇数で「陽の極(きわみ」」とされ、縁起が良く、その「九」が月と日で重なることから、陽が重なるという意味で「重陽」だそうです。

菊は邪を払うとされています。

また、菊には解毒作用があるとも言われます。【調べてみると、菊には、体の中にある解毒物質「グルタチオン」の産生を助ける成分があると書いてありました。】

お酒に入れて飲めば、解毒の力も強まり、あっという間に体中に回り気持ちもよくなると言われています。(個人差あり・・・。)

昔から、この重陽の節句には、「菊酒」をいただき、長寿を祈る習慣がありました。

 中国の詩人、陶淵明(三六五~四二七)の詩に『飲酒』があります。

『秋菊佳色あり、露に濡れてその英(はなぶさ)を採り、此れを忘憂のものに浮かべて、(中略)いささかまたこの生を得たり』(菊の花を摘んで杯に浮かべて飲んで憂き世を忘れてみよう、いつの間にか酒壺が空になる。軒下に立って歌を歌えば、すっかり生き返った気持ちになる)と詠っています。

 さて、私たちも秋の夜長、ゆっくり菊酒を酌み交わし健康にあやかりたいものですね。

                                                                                       エイブルの木10月号より