ゴキブリ亭主
気温が高くなると、台所をチョロチョロしだすゴキブリは、昆虫の仲間。台所を預かる者にとっては、徹底的に退治したい虫。殺虫剤やゴキブリホイホイが大活躍。
しかし、このゴキブリは、3億年前の古生代から生きており、生きた化石ともいわれます。人間様よりはるかに大先輩であります。
名前の由来=御器(ごき)とは、蓋つきのお椀(わん)のこと。ゴキブリの大きな前胸部がお椀をかぶっているように見えるため「御器かぶり」。転じてゴキブリとなったようです。鹿島では「ゴッカブイ」とも言います。名前の由来からすると「鹿島のゴッカブイも捨てたもんじゃない。」と思っています。
さて、本題の「ゴキブリ亭主」は、台所に出没する旦那のことで、少しさげすむ言い方となっています。夜な夜な台所に出て、残り物をつまんで食べたりお酒を飲んだり。さらには、男が台所に立ち家事をすることをたしなめるための言葉でもありました。
しかし、高度成長期以降は、「男子厨房に入る」の風潮に伴い、最近では「キッチン・パパ」「イクメン」という言葉は当たり前。
今は、家事・育児は男女共にすることが常識。「ゴキブリ亭主」は消えて死語になりましたが、我が家の憎きゴキブリは、夏場になると真夜中の台所で密かに出没中。
エイブルの木6月号より 館長 永池 守