案山子のいわれは、ちょっと意外。「カカシ」は「カガシ」からということらしい。
案山子(カカシ)
稲刈りの季節がもうすぐやってきます。田んぼの畦道を歩くと、あちこちの田んぼには黄金色の稲がズシリと実っています。
稲刈りシーズンになると案山子の役目も終わりになりますね。
でも最近は、その後に、案山子コンテストなるものがあり、時として本物の人と見間違えるような上手な作りの案山子があります。
かつて、区長さんを訪ねた時、田んぼのそばに座っているおばあさんがいたので、道を尋ねようと「すみませーん!」と声をかけ、反応がないので近寄ってみると、なんとカカシではありませんか。今思い出しても顔が赤くなります。
さて、このカカシの由来を調べてみると、カカシは、もともとは「カガシ」というそうです。この「カガシ」とは、人間の髪の毛を焼いたものを竹に挟んで立てたり、ボロ布やイワシの頭を焼いて、串に挟んで畦道に立てたり、その悪臭によって鳥や獣を近寄らせないようにしたものが起こりで、カカシは「カガシ」、つまり臭いものをかがせる意味があったようです。
このカカシが、現在のように人間らしい形に変わったのは、人に似せて鳥や獣を脅かすというよりも、むしろ田の神様として、田んぼの稲を守ってもらおうという気持ちの方が強かったようです。
エイブルの木10月号「エイブルからこんにちは」
館長 永池 守