貝の中の真珠は、異物を包み込んでできるもの。心の真珠は、心の中の異物(悩みや苦しみ)を取り込んで輝きだす。
白玉
月のしずく、天の露、人魚の涙、月の化身・・・「白玉」とは世界中で愛され、ロマンティックナ名前で呼ばれてきた真珠のことです。
「玉(ぎょく)」とは、宝石のことですから、真の宝石と思われていたのでしょう。実際、加工しなくても輝きを放っているのは真珠だけではないでしょうか。
今では、真珠といえば阿古屋貝(あこやがい)ですが、万葉のころは鮑(あわび)からとっていたそうで、鮑玉(あわびだま)とも呼ばれていました。
貝は、砂やごみなどの異物が入り込むと、それを何とかしようと分泌物を出します。その分泌物が異物を包み込むことで、真珠がうまれるそうです。
そこである人が言ったことを思い出すのが「苦しみや悲しみも心の中の異物のようなもの。その苦しみ悲しみと向き合っていくうちに、あなたの心に輝く真珠ができるかもしれません。」です。
なるほど、そう考えると、そうなんだと納得。平々凡々と過ぎ行く時間に身を任せるよりは、ちょっとは苦労や悩みに向き合うことも必要なんだと。
仕事や人間関係の悩みは、その時は正面から受け止めてしまい、つらいものです。仲間との語り合いと時間と自らの苦痛とで玉のように輝きだします。
まさに心の真珠ですね。
でも、私の真珠には棘あるのでしょう、時々ふっと痛みが走ります・・・。
エイブルの木9月号「エイブルからこんにちは」
館長 永池 守