~白露の日に~ 露は、雨上がりなどは宝石のように輝き、私たちの目を楽しませてくれます。宝石にも例えられるほどです。でも、儚(はかな)いものの代表ですが・・・。
露 華(ろか)
~白露の日に・・・~
雨上がりに、きらきらと光に輝く露の美しいこと。一面に露が降りると、本当に丸い小粒のガラス玉の花が咲いたようです。
花にたとえられるだけではありません。宝石にたとえて「露珠(ろじゅ)」や「玉露(ぎょくろ)」とも呼ばれます。
昔、露と言えば、儚いものの代名詞。「露ほどの」と言えば「ほんの少しの」という意味。特に、「露の命」「露の世」「露の身」など、命の儚さにたとえられることが多かったようです。
いたずらに命の儚さを嘆いてきても仕方がありませんが、確かに、命は儚いもの。
そして、その短さ、儚さを知ったところから始まる物語もあるはずです。
子供のころには、考えもしなかった、仲間の死や親の死に出会い、人生には必ず終わりがあるのだと気付き始めます。
そして、やがて『よりよく生きることはよりよく死ぬこと。よりよく死ぬことは、よりよく生きること。』などと考え出したりして・・・。
命の尊さ、時間の尊さを知っているからこそ、よりいっそう深まるものではないでしょうか。
これから、人生100年と言われる時代に突入していきます。
露ほどの人生などと言えないかもしれませんね。
エイブルの木9月号「エイブルからこんにちは」より
館長 永池 守