最近見なくなったオオバコ。中国では、車前草。道端に生える草という意味です。踏まれても踏まれても、しっかり育つ強い草ですが・・・。
車前草(しゃぜんそう)~大葉子(オオバコ)の異称です。
「車前」とは、中国で、車の通る道端という意味だそうです。
「大葉子」の「子」は、親しみを込めた接尾語。小さな草のわりには葉が大きいところからこの名がついたそうです。
子供のころの遊びでは、茎を根本から取り、二つ折りにして、二人が互いに引っかけあって引っ張り合い、どちらが切れないかを競うオオバコ相撲が知られ、スモトリグサ(相撲取り草)の別名もあります。
私も子供のころ、夏の暑い日に、オオバコの茎を何本も束ねて持って、田んぼの道端で、時を忘れ、暑さも忘れて、ヒッパイゴロ(引っ張り合い)をしていました。懐かしい思い出です。
さて、漢方薬にもなり、どこの道端でも生えるこの草は、車や人に踏まれても、たくましく育ちます。でも、踏まなければ、絶えてしまうのだそうです。
いわゆる踏み跡植物、轍(わだち)植物と呼ばれるものの代表のようです。
なんと、因果な・・・。身に付けた強さが、逆に弱点になってしまったのでしょうか。それとも弱いから、強さを装っていたのでしょうか。強さと弱さは隣り合わせ。強いことは時には、弱さにつながることもありますね。
エイブルの木6月号「エイブルからこんにちは」より
館長 永池 守