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青春、朱夏 白秋 玄冬

青春、朱夏 白秋 玄冬

 日本の四季にはそれぞれ色があります。

例えば、春は、桜のピンクや新緑。夏は、真っ赤に燃えた太陽や空の青。秋は、紅葉に染まっていく山の彩り。冬は、雪の白や枯れ木の灰色が想像されます。

古代中国では陰陽思想が強くあり、季節や方角に色彩を紐づけて考えられていて、古代の日本もそのまま踏襲し、むしろ積極的に取り入れていたようです。 

その中国の思想の中で、「春」は「青春(せいしゅん)」、夏は「朱夏(しゅか)」、秋は「白秋(はくしゅう)」、冬を「玄冬(げんとう)」といい、この四つを人生に当てはめ表現したものがあります。

その影響で、日本では若さの象徴として「青春」が良く使われています。そして青春以外にも他の年代にも対応する言葉があります。

働き盛りの三十代~五十代は夏の太陽のような「朱夏」で、落ち着き出す五十代~六十台は「白秋」となります。六十代後半になると「玄冬」と呼ばれ、次の春を待つ次世代に知識や願いを残すということになります。詩人北原白秋の「白秋」はそれ由来でしょうか?

私たちは、どの世代も、それぞれに悩みながらも生きがいを持ち、気持ちはいつまでも前向きで、それでいて青春・朱夏・白秋・玄冬という言葉が似合うように歳を重ねていきたいものですね。

                                 エイブルの木3月号より