アサギマダラは、渡りをする蝶。1500キロメートルを渡ってくるものもいます。中には1日で200キロを移動した蝶もいます。
浅葱斑(アサギマダラ)
久住山への縦走の下山途中、沓掛山(くつかけやま)の木立の中に咲くヒヨドリバナに、偶然にもアサギマダラを見つけました。
近づいてもあまり逃げる様子もなく、じっと止まっていたので、写真にパチリとおさめました。
このアサギマダラは、珍しい蝶で、渡りをする蝶です。約1500キロメートル離れた南の方から渡ってきています。1日で200キロメートルを飛んだ記録もあるようです。
身近なアゲハチョウよりも一回り大きく、羽を広げると10センチメートル前後あります。他の蝶のようにヒラヒラ飛ぶ感じではなく、フワリフワリと優雅に飛び回ります。
黒と褐色の模様と、ステンドグラスを思わせる透けるような薄い浅葱(あさぎ)色をした羽が綺麗です。その綺麗さから国蝶選定候補にもなったほどです。(ちなみに国蝶はオオムラサキです。)
浅葱色とは青緑色の古称で、この色に名前の由来があります。
梅雨明けを待ち、三密回避対策を行い、消毒液を持って15キロのリュックを背負い、久住から稲星山、中岳を歩き、避難小屋近くでテント泊。その帰り道でのアサギマダラとの出会いは、まさに、一服の清涼剤。ご褒美に元気をいただいた気分でした。
エイブルの木10月号「エイブルからこんにちは」
館長 永池 守