佐賀県鹿島市の生涯学習センター「エイブル」は、
ホールの貸出し、設備レンタル、イベントなど随時開催している文化施設です。

館長コラム

ホーム > 新着情報 > 館長コラム > ヨシレンナカ

ヨシレンナカ

「ヨシレンナカ」鹿島の古い方言。小さい頃はこの言葉でよく叱られた。

ヨシレンナカ!

私は、母から「ヨシレンナカことばっかいすっ。」と言って、よくしかられた。

物を壊したり人を泣かせたりケガさせたりするものだから、ほとほと困っていたのだろう。

ある時、祖母からは、耳を引っ張られて、近くの相手のうちまで連れていかれ、お詫びを言わされたこともあった。バット代わりに使っていた棒の端が、後ろにいたキャチャーの頭をかすって、頭から血が出てしまったのだ。

悪気はなかったのだが、つい夢中になって、失敗をしてしまうのだった。その時も、祖母からは「ヨシレンナカことばっかい、えってさりーて、して。ふうけもんが」と、ひどく叱られた。

あの頃は、この「ヨシレンナカ」は、何なのか、ずっと気になっていた。

最近この言葉が話題になり方言辞書で調べてみると『「得知れぬ」の転訛。「え〜ず」は、古語の用法で、「え」は、下に否定語を伴い、「〜出来ない」を表す呼応の副詞。「え」と「よ」は相互に使われ、「えしれん」「よしれん」とも言う。』とある。「余計なこと、悪いこと」という意味で、まさに私は、ヨシレンナカ子どもだったようだ。

母が他界して八年「ヨシレンナカコトバッカイ、エッテサリーテシオロ!」と、また叱られそうだ。

                   エイブルの木9月号「エイブルからこんにちは」

                               エイブル館長  永池 守

タグ:お知らせ