「ヨシレンナカ」鹿島の古い方言。小さい頃はこの言葉でよく叱られた。
ヨシレンナカ!
私は、母から「ヨシレンナカことばっかいすっ。」と言って、よくしかられた。
物を壊したり人を泣かせたりケガさせたりするものだから、ほとほと困っていたのだろう。
ある時、祖母からは、耳を引っ張られて、近くの相手のうちまで連れていかれ、お詫びを言わされたこともあった。バット代わりに使っていた棒の端が、後ろにいたキャチャーの頭をかすって、頭から血が出てしまったのだ。
悪気はなかったのだが、つい夢中になって、失敗をしてしまうのだった。その時も、祖母からは「ヨシレンナカことばっかい、えってさりーて、して。ふうけもんが」と、ひどく叱られた。
あの頃は、この「ヨシレンナカ」は、何なのか、ずっと気になっていた。
最近この言葉が話題になり方言辞書で調べてみると『「得知れぬ」の転訛。「え〜ず」は、古語の用法で、「え」は、下に否定語を伴い、「〜出来ない」を表す呼応の副詞。「え」と「よ」は相互に使われ、「えしれん」「よしれん」とも言う。』とある。「余計なこと、悪いこと」という意味で、まさに私は、ヨシレンナカ子どもだったようだ。
母が他界して八年「ヨシレンナカコトバッカイ、エッテサリーテシオロ!」と、また叱られそうだ。
エイブルの木9月号「エイブルからこんにちは」
エイブル館長 永池 守