スバルは、夜空に広がる、おうし座付近のプレアデス星団のこと。この言葉は、片仮名書きが多いので、外来語かと思っていました。
でも、これは純粋な日本語で『枕草子』にも「星はすばる、彦星、明星・・・。」と出ています。
「すばる」は「統(す)べた状態になる」という意味の動詞で、この星団が数個の星の集合と見えることからの命名のようです。漢字で書くと「昴」。最近は、男子の名前にもよく見かけます。
そして、信州の蕎麦どころなどには「スバルまんどき粉八合」という諺があります。これは、立春から数えて二百十日ごろ、スバルが南の中天にかかったのを見て、蕎麦をまくと、一升の蕎麦の実から八合も粉がとれるほどよく実るという意味だそうです。
日本の星の名は、このように農耕の季節を教えるものとして活用されてきました。(因みに、西洋では方角を表す星が多いようです。大航海時代の名残でしょうか。)
また、六〇歳以上の方々のカラオケの十八番になっている谷村新司の『昴』という曲名にもあります。
こう見てくると、星のスバルは結構身近な星なのですね。
それでは、秋の夜空を見上げ、自分だけの星を決め、名前を付けて楽しんでみてはいかがでしょう!(佐賀の星空学習館でも星空を身近に感じてもらうためにすすめていますよ。)9月15日(金)のえいぶる講座でおまちしています!
「エイブルの木」9月号コラム「エイブルからこんにちは」より
館 長:永池 守