佐賀県鹿島市の生涯学習センター「エイブル」は、
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館長コラム

奥の手

奥の手~誰でも持っている~

誰でも持っているとっておきの手段、それは左手のことだった。

奥の手~誰でも持っている~

とっておきの最後の手段。皆さんはお持ちでしょうか。

「それがあったら苦労はしないよ。」とおっしゃる方も、「実は、・・・」とにんまりする方も、本当は誰でも持っています。そう、奥の手とは左手のこと。

昔は、左を尊重していたので、左手のことを奥の手と呼んだそうです。中国の影響だそうですが、中国も時代によって左を重んじたり、右を重んじたりしていたようで、「左遷」は。右を重んじていた時代の言葉だそうです。

たいていの人が普段使うのが右手。そして、とっておきの手を奥の手というようになったようです。

万葉集には「我妹子(わぎもこ)は釧(くしろ)にあらなむ左手の我が奥の手に巻きて去(い)なましを」とあり、ここでも大切な手の意味でつかわれています。「愛しい人をこの大切な左手で連れ去っていきたい」というのでしょうか。

『困ったときには奥の手がある』そう思っていると心強いものです。わが身を考えると、年の瀬も近づき、奥の手も使い、猫の手も借りたいこの頃です。日ごろの目配りの甘さで、ツケが回ってしまっています。秘策はどこかにあるのではなく、きっと自分自身の決心の中にこそあるのでしょうね。

「奥の手は千手観音ほどもあり」の心境でいたいものです。

                  エイブルの木12月号「エイブルからこんにちは」より

                                    館長 永池 守

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