「切」という漢字の持つ意味は切るだけじゃないのですね。
「大切」
日ごろ何気なく使っている大切の「切」という言葉の意味は、ひたむきなさま、心を込めてするさま、差し迫ったさま、身にしみて強く感じるさま・・・など、実に様々です。
語源の「切」という文字は、刀で縦横に切るということから出来ており、モノを切るという意味から転じて、刃物をじかにあてるように「身近である」「行き届く」という意味もできました。
こうして身近に寄り添い行き届くようにすることから「親切」の意味になりました。
また、思い入れが深く切実であることの意味では、「深切」という漢字もあり、古くは「深切」が常用されていたようです。
一六世紀、ポルトガルからamor(アモール)という言葉が入ったときは、「愛」ではなく「大切」と訳したそうです。
万葉のころから、「愛」という言葉もあったようですが、「愛欲」というように、どちらかというと、悪い意味合いの方が強かったからでしょうか。
今でも「愛しているよ」と言ったり、言われたりするよりも、「大切なんだ。」の方がピンとくる人も少なくないのではないでしょうか。
一つの漢字からいろいろな世界が広がります。漢字の奥深さを感じることができますね。
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